Rain Days

だから、逆に言ってやる。


「雨男」

「俺かな?とりあえず、このままじゃ濡れちゃう」


男はあたしの腕を掴み、走り出す。

ど、どこ行くのよ。

走ったのは、たぶん2、3分。

でも、彼のペースのせいで息が上がった。

て、ここ何処?

気付けば、大きな倉庫の中に居た。

建物の中だけあって、濡れはしないが。


「ついて来て」


息一つ上げず、そう告げると1人先を歩く。


「ヒデ、学校行ったんじゃないの?」


あれ?この声、聞いたことある。


「行ってきた」

「なんで傘持ってんのに、濡れてんだよ」

「訳あり」


ちょっと待って、嫌な予感がする。