Rain Days

でも、そうさせてくれないだろう。

とりあえず、男に返さなきゃいけないモノがある。

サッサッと返して、明日からなるべく関わりを持たないようにしたいし。


「ちゃんと返しておきたいんで」


男に掴まれていた腕を振り払い、あたしは家に向かって歩き出した。


「ねぇ」

「何ですか?」

「俺、君の名前知らない」


だから?


「必要あります?」

「知らないせいで、君のこと探すのに苦労したんだよ?学校も休んでたみたいだし」


いや、探さないでください。


「たぶん。今日をもって関わることもないから、君のままで良いと思いますよ」

「釣れないなぁ。なら君の名前わかるまで、ストーカーしちゃおうかな?」


それ、犯罪です。