Rain Days

「おじさん、行き方がわからなくて困ってるんだ。そこまで、君たちが案内してくれないかな?」

「いいよ」


疑うことも知らない、幼かったあたしとあおは快く引き受けた。


「ありがとう。おじさん、車で来たから乗って」


その言葉に、あたしとあおは素直に乗り込んだ。

案内したら、すぐにまた戻ってくる。

そう思っていたから、公園にランドセルを置いたまま、あたしとあおは公園を後にした。


「おじさん、病院はね?この道を・・・」


走り出した車内で、あおが親切に案内を始めた。

だけど運転している男は、あおの案内通りには走らない。


「そっちじゃないよ?」


そう訂正しても、男はこれっぽっちもあおの言葉を聞き入れなかった。