Rain Days

気付けば、堪えていたはずの涙が頬を伝わっていた。

あたしは手の甲で涙を拭い、鞄を手に学校を飛び出す。

誰にも、こんな姿を見られたくない。

学校を出ると、土砂降りの雨が体を濡らす。

なぜだか今日は、涙が止まってくれない。

これじゃ、家に帰れない。

あたしは近くに在った木影に入り、しゃがみ込む。

止めようと思えば思う程、次々と涙は零れる。

雨も、全く止まない。

すっかり体も冷え、雨が突き刺さるように痛い。

だけど突然、その雨が消えた。

え?

あたしは俯いていた顔を、ゆっくり上げる。

傘?


「風邪引くよ」


同じ学校の制服を着た男が、傘を差し出していた。

そのせいで、男はみるみる濡れていく。