Rain Days

もう少しで、手を伸ばせば触れられそうな距離。

それを見計らい、不意を突いて2人の方の男の1人を突き飛ばし、隙を見て逃げ出す。

そして再開する、鬼ごっこ。

もう少し、もう少し走れば。

そう、自分自身に言い聞かせる。


「おい!」


え?

不意に耳に届いた声。

なんだか、とても心地よかった。

そしていきなり、腕を掴まれた。

掴まれた腕から視線を顔へと移すと、そこにいたのはあおだった。


「もう、大丈夫だ」


昔とは違う、低くなった声。

昔と今じゃ全く違うけど、あおの瞳はあの時と何も変わっていない。

あの事件の日に見せた、あたしのことを心配し、弱いくせに守ろうと必死だった瞳と一緒だ。