Rain Days

涙のせいで、視界が滲む。

毎年、この日が来ると思う。

どうして今年も、彼はあたしの隣に居ないのだろう。

彼と離れて、10年と言う月日が流れた。

小学生だったあたしも、もう高校生になった。

同い年の彼は、どんな人になっただろう。


『あおちゃん』


そう、あたしの名を呼ぶ幼い男の子。

泣き虫で、いつもいじめられては、あたしの後ろで守られていた。

背は、まだあたしよりも小さいだろうか?

それとも少しは強い男になっただろうか?

突然消えた彼を、あたしは今も待っている。

ホントは、彼を探したい。

だけど、彼に拒絶されるのを恐れている。

だから、あたしは待つことしかできない。

彼とまた、偶然出会える日を・・・