Rain Days

「はぁ、疲れた」


学校から離れたところで、理沙は走るのを止めた。

腕を伸ばし、リラックスをする理沙に呆気に取られる。

なんて、マイペースな子なんだろう。


「久々なんだよね、こうやって女の子と一緒に遊ぶの」


嬉しいそうな笑顔をする理沙に、文句を言う気にもなれなかった。


「あたし、いろいろあって友達いないの」


悲しそうな瞳で言う理沙に、少しだけ同情する。

それは卓麻から見せてもらった白狼会の調査書で、理沙の生い立ちを知っていたからかもしれない。


「あれ、聞かないの?理由」

「話したいなら、聞くけど」

「変なの。普通は聞くでしょ。まぁ、良い話じゃないから、聞かないなら答えない」


あたしにどうして欲しいのだろう、理沙は。