Rain Days

自分で聞いておいて、バカな質問をしたと思った。


「過去は、所詮過去(幻)だよ。時間が経つにつれて、気付かぬ間に美化してく」


その言葉は、あおに言ったものなのか?

それとも、過去の自分に向けたものなのかわからなかった。


「君があおちゃんじゃないなら、君に会いたくなかった」


あおに言われた言葉に、胸が切り裂かれた思いだった。

そんな言葉を言わせてしまったのは、あたしかもしれない。

だけど、凄く苦しかった。

あたしが恐れていたことを、偽っていても尚、あおにさせてしまった。

会いたくなかった、か。

一瞬、息をすることさえ忘れそうになってしまった。

大きく息を吐き出し、必死に平然を装う。