Rain Days

「さっきから、話の意図が全く見えないんですけど」


あたしの言葉に、あおは盛大のため息を零した。


「だから、ヒデから離れてくれないか?」

「それは出来ない。ヒデがあたしのことを拒絶するまで、あたしはヒデの傍に居る」


強い意志で、あたしはあおの言葉を突っぱねた。

あおは片肘をテーブルにつき、荒々しく頭を掻く。

そして、消え入りそうな声で言う。


「頼むよ、あおちゃん」


そんな声で、そんな言葉を投げかけないで。

あたしは、下唇をグッと噛み締める。

自然と視線は、あたしがあげたブレスレットへと向かう。

困らせたくない人を、今のあたしは困らせている。

あおに、そんな顔をさせたいわけじゃないのに。