「ただいま」
「柚!遅くなるなら連絡くらい……あんたどうしたの!?そんなに濡れて……」
「何でもない。ご飯……いらないから」
「いらないって……ちょっと柚!」
バタン
「ウッ…ヒッ……ヒクッ」
あたし……もう慎治さんとは会えない。会いたく……ない!
やっと信じれる人が見つかったと思ったのに……やっと好きって気持ちが分かったのに…-!
泣いちゃ駄目、柚!
あたしにはまだ、
することが残ってるんだから。
「……よしっ!」
あたしは気合を入れると
携帯を手にとった。
かけた先は……慎治さん。
このまま負けるなんて絶対いや。
何か言わないと気がすまない…-!
プルルルルプルルルル
『はい!柚ちゃん!?嬉しいな~、柚ちゃんからの電話なんて♪』
……あたしはもう……騙されない。

