ポタ……ポタ
「柚っ……」
ねぇ……慎治さん。
全部……全部嘘だったの?
あの楽しかった日々も。
慎治さんの本気と言った言葉も。
あたし結局、
からかわれてただけなんだね。
1人で舞い上がってた……だけなんだね。
「柚っ!ひとまずあたしん家おいで!」
明美の家までどうやって行ったか覚えていない。
気がついた時には
もう明美の部屋にいた。
「柚……」
「あたしっ……からかわれてただけ…だったんだね。馬鹿みたいだよね……。コスメなんて買って浮かれてさ……」
「そんな…-」
「明美の言うとおりだった!あたし心の奥底では思ってた……慎治さんはあたしのことが好きだって。あたしに好意持ってくれてるって。馬鹿みたい……ほっんと…笑っちゃうよね」
「そんなことな「あたし帰るね!」
「お邪魔しました」
「柚!」
「本当ごめんね、明美。また」
「ゆ」
バタン
明美がまだ叫んでいたけど、あたしはそれを遮った。
外ではいつの間にか、
大粒の雨が降っていた……。

