「.............っ、」




まだ、涙は止まってくれない。


まるで、私の声の代わりに私の気持ちとなって流れてくようだった。



.............蒼汰は、今何してるかな。




自分から離れたくせに、気付いたら蒼汰のことが気になっている。


戻りたいけど、戻れない。


会わせる顔がなさすぎて。


戻りたい気持ちと、戻りたくない気持ちがせめぎ合っていた。



だけど、早く戻らないと降りる駅を過ぎてしまう。



優しい蒼汰のことだから、降りる駅を過ぎても電車内で私を待っていてくれてるだろう。


すごく、申し訳ない。


あんなに素敵な蒼汰と自分の気持ちを伝えられない臆病な自分が付き合っていることが。



全然、釣り合ってない。


いっそのこと、離れた方が蒼汰にとってはいいんじゃないかとも思う。


それでも、そう思っても、蒼汰から離れられないのは、私が卑怯で弱虫だからだ。