「.............っ、」



ガタンゴトンと揺れる電車内のトイレで声を立てずにボロボロと涙をこぼした。



こうなったのは、全部、自分のせい。


────私のせいだ。



電車内で、彼氏の蒼汰と喧嘩になって。


勿論、周りの人に迷惑になるから声には出さずにだけど。


伝えられない、伝わらないもどかしさと、私の気持ちをわかってくれない蒼汰にイライラして。


大好きな蒼汰に、困ったような悲しいような顔をさせてる自分が嫌になって。


苦しくって。



思わず、高ぶる感情をそのまま蒼汰にぶつけて、この電車内のトイレに駆け込んできてしまった。




「.............っ、っ、」




ボロボロと涙が溢れてきて止まらない。



全部、自分が悪いのに。


蒼汰は何もしてないのに。



自分が伝えられないのがいけないのに。



さも、蒼汰のせいかのようにして、逃げてきてしまった。




「.............っ」



わかってるんだ、伝えなきゃいけないって。


伝えなきゃ、自分の気持ちは自分以外の人にはわからないから。


声に出して、言わなきゃいけないけれど。




どうしても、声に出せない私はただの臆病者だ。