「幼馴染」。

 でも、もう遅い。
 もう届かない。
 春哉はもう、「誰のものでもない春哉」じゃないんだから。


 制服が、雨を吸い込んでどんどん重くなっていく。
 髪と頬を伝う雫が、地面にできた水たまりに落ちていく。
 あたしは半ば体を引きずるようにして、公園を出ようと歩き出した。


 そのとき。