「幼馴染」。

 いろいろな思いが胸の中で交錯する。
 だけどあたしが実咲への返事で文字にできたのは、「了解」の2文字。
 2文字だけを書いたルーズリーフの切れ端を、あたしはそっと実咲へと回した。

 ――心のどこかで、実咲と春哉が付き合ってないって信じてたから。
 信じたかったから。

 何も、書けなかった。