少し震える手で、冷めてしなしなになったポテトを1本つかむ。そしてそのまま彼の口元に持っていく。

そのまま彼はぱくりと咥えてわたしが手を離すと、口からはみ出たポテトを指で掴んで自らの口の中に押し込んだ。

なんだよ!結局自分で食べるなら最初から自分でたべろよ!


またおちょくられた。とムカつきながら前を向こうとすると、右手を掴まれた。


……今度は、なに?



掴んだ腕を彼の方に引っ張られたかと思うと、先ほどのポテトの油がついたままのわたしの指を見た。人差し指、中指、親指。



するとあろうことかわたしのその人差し指を、舐めた。


ざらり、と舌の感触が指に伝わる。びっくりして動けないでいると、中指も、親指も舐めとられた。1本1本、ゆっくりと丁寧に。舐められたところが溶けそうなくらい熱くて、くすぐったい。少しだけ出た彼の舌が、なんだかすごくエッチに見えた。

恥ずかしくて体温が上昇するのが自分でわかる。掴まれた腕からその熱が伝わってわたしの緊張がバレてしまうんじゃないかと心配になった。


「ちょ、ちょっと……!」

本当は殴るとか、大声で怒りたいけど場所が場所なので小声で話した。

こいつ、わざとだ。

ここならわたしがいつもみたいに抵抗できないからってこんな事するんだ。ほんと、性格悪い!