映画館につくと、日曜日だからか人がすごかった。
席、とれるかな……
次の回が30分後に始まるからそれに間に合えばいいけど、無理そうだなぁ。と思いながら、チケットを買いに行ってくれた彼をベンチで待った。
「席、ここしか空いてなかった」
ちょうど彼が帰ってきて、さっき買ったばかりのチケットを見せてくれた。それを見れば1番うしろの端っこの席が取れたのを見てわかる。
「はしっこかぁ……まぁとれただけいいか!」
なんとかとれたみたいでよかった。ていうか、朝は憂鬱で仕方なかったのに普通に喋ってる自分キモチワルイ!めちゃくちゃ西岡颯汰にしてやられてるじゃん!
「なに百面相してんだよ」
危ない危ない、わたしは顔に出るタイプだ。まぁ口にも出るし今更なんだけどね。
いつも通りうるさい黙れと軽くあしらって、フードコーナーへ向かった。
お昼時だし、軽くなんか食べよう。ポテトとコーラでいいか。なんて思って買おうとしたら彼がお金を出してくれた。俺から誘ったからなんかだとか。少しは優しいところもあるみたいだ。まぁそんなに馬鹿なやつと真子は付き合わないと思うけどさ。なんて考えていたらまた真子の名前が出てくる自分に腹ただしく感じる。彼はホットドッグとコーヒーも自分用に買っていた。