「だってムカついたから…」





「だってもクソもねぇよ。
いいか?今ここで問題事を起こされちゃ困るから言ってるんだ。


今からこいつにちゃんと事情を話してもらうってのに刺激しちまったら何やらかすかわかんねぇし、俺らも話が聞けねぇんだよ。


…分かったらさっさと黙って話すな。」





怒りぎみになっているこの土方さんって人って…あの夜の…!





驚きながらちらっと土方さんの方を見ると、やっぱりそうだった。助けてくれた土方さんだ。






「はいはい分かりました。…これだから土方さんは五月蝿いんだよなぁー」




「…何か言ったか総司。」



「いや別に」





この総司って呼ばれている人もあの夜に出会った沖田総司……だ。



何だか、頭がごちゃごちゃになってきたなぁ…。






「まぁまぁ二人とも、それよりもこいつが寝言で言っていた事を詳しく話してもらおうぜ。」





背が高いくて美形な顔立ちの人が私の顔を除きこみながら、爽やかに微笑した。




「いきなりすまねぇな。俺は原田左之助だ。宜しくな」




「…は、はい…宜しくお願いします」



ドキドキしてきたな…まだ緊張が解けないのだろうか。





「ずるい左之さん!一人だけ自己紹介してるなんてよ…!
俺は藤堂平助!呼び方は何でもいいぜ!」




「ちょっ…何だよ二人して…抜け駆けは禁止だろ!聞いてくれ!俺は永倉新八だ!宜しく頼む!」





三馬鹿って言われていた人達だろうか。
確かに、どこか抜けてそうな感じもしなくはない。


とりあえず私は動揺しながらも挨拶をした。




「…はい、よ、宜しくお願いします」