部活を終えて帰宅するなり。
リビングには顔を出さずに、そのまま自分の部屋へと向った。
薄暗くなった部屋の中。
電気をつけることなく、ベッドへダイブする。
ギシギシッと鈍い音を立てて、身体が何度かバウンドした後に。
部活で疲れた身体は、そのままマッドレスに沈み込んでいった。
目を閉じれば、そのまま寝てしまいそうなほどの疲労感に襲われてた。
どうしようか。
どうしたらいいのか。
そんなことをずっと考えてて、なんの手立てもなくて溜息が出そうになる。
接点が少なすぎる。
同じクラスでもない。
帰る方向も途中から正反対になる。
ちゃんと言葉を交わしたのも、昨日が初めてだ。
神崎ゆずに告白しても振られると有名だし。
いきなり告ったところで玉砕は目に見えてる。
って言う前に、俺に告る勇気があるのかって話しだけれど。
「…はぁ、どうすっかな」
秋山は友だちになったと言っていた。
2年になって、俺が知っている限りでは神崎ゆずが特定の男子生徒と仲良くしてるのを見たことがない。
そんな中での“男友だち”と言うポジションを秋山は手に入れた。
友だちになりたいわけじゃない。
友だちになったところで、その先があるって保障はないし。
友だち止まりの可能性だってある。
それでも、秋山が言ったとおり。
秋山のほうが一歩リードなのは確かだ。

