モテ子☆モテ男の恋愛事情。



「秋山!」


ストレッチの途中だった秋山から離れて。

座ったままの秋山を見下ろした。


「…上等。受けて立つ」


かっこ悪いのなんて知ってる。

今までだって、何度だってそういう劣等感に苛まれて。

秋山には勝てないんだって、勝手に決め付けて逃げてきた。


勝負することがかっこ悪いって。

そう自分に言っては諦めてきた。


だけど。


まだ、二人が付き合ってないって言うなら。

諦めたくないんだ。


まだ何もしてない、こんな状態のまま諦められない。

秋山に負けるかもしれない。

だけど、誰にも負けたくない。


「おまえになんて負けないよ」


人差し指を突き刺し、ニヤリと片方の口角を上げて不敵な笑みを作り出す。

そんな俺は秋山にどう見えたのか。

ハハッと、小さく声を出し笑い俺を見上げる秋山は。

どこか嬉しそうに見えた。