「神崎ゆずに―――」
だから、早く…!
「告白した」
だから、昨日の昼休み行けなかったんだ、と。
ゆっくりと振り返った秋山はフッと笑みを零して俺を見上げた。
俺よりもデカイ秋山に見上げられて。
その意味深な笑みの意味を探ろうとする。
告白した。
放課後、こっそりと図書室で会ってた。
それって、付き合いだしたってことだろ?
「ふーん…」
自分から話すように誘導したくせに。
興味ないとでも言うように、素っ気ない返事を返した。
それなのに。
そんな俺を見て、秋山はククッと肩を震わせ笑いを堪えている。
「何?」
「いや、面白いなと思って」
「はぁ?」
何でもお見通しとばかりのその瞳に、思わず顔が引きつってしまったことに気がついたところで遅かった。
「…気になるくせに」
俺の気持ちを見透かしているとでも言いたいのか。
いつも冷静でいて。
たまに、人を見下したようなそんな顔をする秋山にムカつき。
徐々に顔が引きつっていくのが自分でもわかった。

