モテ子☆モテ男の恋愛事情。



「は? 今、学校帰り!?」


制服姿のあたしを見るなり、急に不機嫌になる大男。

細い目をさらに吊り上げて、険しい顔して近寄ってくる。


「電話くれれば迎えに行ったのに! ってか、電話しろ!」

「大丈夫だって、まだ明るいし」


この時期の17時前なんて、まだまだ明るいのに。

一人でここまで来たことをあまり良く思っていない様子。


「…過保護すぎ」

「はぁ!?」


不機嫌通り越して、般若のような顔であたしを見下ろしてくるその威圧感に。

思わず一歩後ずさってしまうくらい。


「おまえなあ…、何かあってからじゃ遅いんだぞ!?」


いや、何もないから。

なんて、言ったら余計にその眉が釣り上がりそうで。

出かけたその言葉を、どうにか飲み込んで堪える。

だけど、それは表情にも現れていたようで……


「ゆず!」


過保護な彼のその大きな声に、耳を塞ぎたくなった。