モテ子☆モテ男の恋愛事情。



秋山くんと別れて一人学校を出て行く。

その足で、地元の運動公園へと向っていった。


本当だったら、一度家に帰って着替えをしてからが良かったんだけど。

思った以上に時間が遅くなってて、仕方なくそのまま向うことにした。


地元人なら誰でも知っているような、けっこう大きな運動公園で。

テニスコート、バスケットコート。

体育館やプール、陸上トラック。

他にもアスレチックや、子供用の遊具もある。


そこで、中学の頃からみんなで集まってワイワイ楽しくバスケをしてきた。

高校に入ってみんなバラバラになっても、あそこに行けば誰かしらいて。

人数が集まれば、そこでゲームがスタートする。


誰かが声をかけることもなく。

自然と仲間が集まる、そんな場所だ。


公園の入り口が見えると。

そこに人影が見えた。

近づくにつれて、その人影はハッキリと見えてきて。

よく知る相手に自然と早足になってしまう。


「遅かったな」


Tシャツにハーフパンツ。

そんなラフな格好で、額には汗が光って見えた。

長めの前髪を一つに縛って。

歩くたびに、そのちょんまげがヒョコヒョコと揺れていた。