「でも、すごいよね。勉強もバスケも両立できてて」
バスケ部では次期部長候補で、速水翔とのコンビプレイも有名だもの。
昼休みに見る秋山くんのプレイは、ハデではないけれどいつも冷静でパスも的確、外からのシュート率もすごく高いのも知ってる。
厳しいと有名のバスケ部で、クタクタで動けなくなるくらい扱かれたって。
家ではちゃんと勉強してるはず。
そうじゃなきゃ、先月の学力テストで首位を守るなんて無理だもん。
「勉強しないとバスケが出来なくなるから、仕方なくね」
仕方なく、なんてそんな簡単な言葉では済まされないほどの努力ができる人。
そんな秋山くんのこと、尊敬しちゃう。
「バスケ、好き?」
「ん、バスケしたくて、この高校に来たようなものだから」
「そうなんだ…」
「うん。翔とバスケがしたかったのもあるけど、この高校に憧れてた先輩がいたんだ…もう卒業しちゃったけど」
その人とバスケがしたくて、この高校に来た。と…
すごく楽しそうに話してくれる秋山くんの表情をジーッと眺めてると不意に目が合う。

