朝の挨拶は今までだって普通にしてたし。
同じクラスだから言葉を交わすこともあった。
だけど、休み時間にわざわざ話しかけられることもなかったし。
昼休みのバスケをする姿を、堂々と見ることもなかったけれど。
だけど今日は、ちょっと勇気を出してベランダからバスケをしている秋山くんの姿を眺めることが出来た。
そのとき、可奈には秋山くんのことを話した。
告白されたこと、友だちになったこと。
昼休みその話をしながら、バスケする秋山くんを見ていた。
可奈は『良いんじゃない?』なんて軽く言ってたけど。
その顔はすごく嬉しそうだったから、あたしも素直に頷いた。
こんな容姿だから、高校になってからはなかなか男友だちは出来なかったし。
仲良くなったとしても、さまざまなウワサで気まずくなったりと。
だんだんと出来てしまった距離を、悲しく感じることもあった。
だから、秋山くんの言葉は嬉しかった。
可奈もそんなあたしの気持ちに気づいたんだと思う。