モテ子☆モテ男の恋愛事情。



「…何やってんの、挙動不審すぎるから」


クククッと声を押し殺して、笑いを堪えきれないとばかりに肩を震わす。


「…笑うな」


何だか妙に情けなくなって。

ガシガシと頭を掻いた。


「あぁーっ…」


髪が……

これじゃあセットした意味ないじゃん。


恥ずかしさ。

情けなさ。

そして、自己嫌悪。


そんな俺を無視してどんどん歩いていく秋山。


「あ、今日の部活、少し遅れるから、部長に伝えといて」


そう言って、一人でさっさと2年A組があるフロアへと足を進めていった。

俺のクラスはE組だから、階が違うんだ。


「おまえ、今日の昼休みは?」


俺に背を向けて歩いていく秋山に問いかけると。


「今日は行くよ」