「…何やってんの、挙動不審すぎるから」
クククッと声を押し殺して、笑いを堪えきれないとばかりに肩を震わす。
「…笑うな」
何だか妙に情けなくなって。
ガシガシと頭を掻いた。
「あぁーっ…」
髪が……
これじゃあセットした意味ないじゃん。
恥ずかしさ。
情けなさ。
そして、自己嫌悪。
そんな俺を無視してどんどん歩いていく秋山。
「あ、今日の部活、少し遅れるから、部長に伝えといて」
そう言って、一人でさっさと2年A組があるフロアへと足を進めていった。
俺のクラスはE組だから、階が違うんだ。
「おまえ、今日の昼休みは?」
俺に背を向けて歩いていく秋山に問いかけると。
「今日は行くよ」

