モテ子☆モテ男の恋愛事情。



「…ムカつく」

「ん、何が?」

「…何でもねえよ」


姿勢もよくて、いつも爽やかな笑顔で。

ただ歩くだけでもサマになる。


男の俺から見ても。

秋山はカッコいいと思う。


そんな秋山とは、中学からの親友でバスケ仲間。

容姿端麗な上、勉強も運動も出来る、まさにパーフェクト人間。


もちろん、こいつもモテるわけで。


ほら。

校門近くの、あの二人組の女の子は秋山目当てで。

チラチラとこっちを見ては、微かに頬を染めている。


そんな視線に気がつかないのか。

それとも気がつかないフリをしているのか。


秋山は気にすることなく真っ直ぐ前を向いて歩いていく。


俺も、その後を追いかけていった。


校舎が近づいたとき、ふと視界の片隅に入り込んできた…サラサラと風になびく髪。


グッと、視界を斜め上に上げれば、そこは図書室がある場所で。

窓から校庭を眺めている女子生徒が目に飛び込んできた。


校内一の美少女、神崎ゆず。


俺と同じような称号を持つ女だ。