モテ子☆モテ男の恋愛事情。



自覚したとたんに。

体育館に響く声援が、あたしの胸を締め付ける。


無意識に隼人の制服の裾をギュッと握ってて。

今まで、ただキラキラして見えてた彼の姿が少しだけ切なさを帯びた色に変わって見えた。


「ゆず…?」


あたしの目の前に、左右に振られる手のひら。

それに気づいてパチパチと瞬きを繰り返す。


「どうした? ボーっとしてるけど」


可奈が少し心配そうにあたしを覗き込むと、彼女の瞳が大きく見開かれる。


「ゆず、顔が真っ赤だよ!?」


可奈の声が、遠くのほうで聞こえる。

顔中に熱が集まってるのは、暑さのせいでも熱気のせいでもなくて。

彼のせい。


試合の流れは完全にうちの高校だった。

点数を重ねるたびに、あたしの中の気持ちを大きくなっていくような気がして。

落ち着かないのに、目を逸らせない。


「決まったな…」


隼人の言葉どおり。

最終的に、一度も逆転されることなく勝利したのだ。