モテ子☆モテ男の恋愛事情。



それでも、もう少し彼のことを知ってみたいと思ったのも事実で。

だから、あたしは……


「友だち…なら。よろしくお願いします」


そう言って、彼に向って深く頭を下げた。


その瞬間、緊張の糸がプツリと切れたかのように『良かった…』少し気の抜けた声が耳を掠め。

顔を上げれば、その場にヘナヘナと座り込む秋山くんの姿が映りこむ。


「あ、秋山くん?」

「…ハハ、緊張、した」


ホッとしたのか、今まで見たことのないような無邪気な笑顔であたしを見上げてて。

あたしと目が合えば、少し恥ずかしそうに瞳を逸らされてしまった。

それが少し幼く見えて、今までのイメージがまた変わる。


「秋山くんって、もっと余裕があって大人っぽい人だと思ってた」

「ははっ、それ俺も思ってた」

「えっ?」

「もっとかっこよく決めるはずだったんだけどな…」


座り込んだまま、かっこ悪いな、と苦笑する秋山くんは。

またさっきと違う顔をしてて。

もしかしたら、これが一番素に近いのかもしれない。