激しいほどの攻防戦。
入れたら入れ返す、取られたら取り返すの繰り返し。
もし、この中に隼人がいたら……
そんなこと、考えちゃダメなのに。
チラッと横目で隼人の様子を窺っていると。
「ほら、ちゃんと観てろ」
視線はこっちに向けることはなかったけど。
隼人の大きな手が後ろから回ってきて。
あたしの頭をポンと撫でる。
「ほら」
そう言って目配せした先には、秋山くんから速水くんにパスが通ったところで。
その瞬間に、ニヤッと挑発的な笑み。
獲物を狙ったような鋭い瞳をした速水くんがコート内を走りだす。
そんな姿に釘付けになってしまうのだ。
「俺は……」
速水くんのシュートが決まって、だけど喜ぶ前に速攻で元に戻っていくその姿を目で追って。
だけど、耳は隼人に向ける。
「翔のほうが…天才だと思う」
普段、おちゃらけている隼人の真剣な瞳が、速水くんを捕らえていた。

