モテ子☆モテ男の恋愛事情。



激しいほどの攻防戦。

入れたら入れ返す、取られたら取り返すの繰り返し。


もし、この中に隼人がいたら……


そんなこと、考えちゃダメなのに。

チラッと横目で隼人の様子を窺っていると。


「ほら、ちゃんと観てろ」


視線はこっちに向けることはなかったけど。

隼人の大きな手が後ろから回ってきて。

あたしの頭をポンと撫でる。


「ほら」


そう言って目配せした先には、秋山くんから速水くんにパスが通ったところで。

その瞬間に、ニヤッと挑発的な笑み。

獲物を狙ったような鋭い瞳をした速水くんがコート内を走りだす。


そんな姿に釘付けになってしまうのだ。


「俺は……」


速水くんのシュートが決まって、だけど喜ぶ前に速攻で元に戻っていくその姿を目で追って。

だけど、耳は隼人に向ける。


「翔のほうが…天才だと思う」


普段、おちゃらけている隼人の真剣な瞳が、速水くんを捕らえていた。