「やってくれるな……」
速水くんのダンクを見て、隼人はコートから目を放すことなく呟く。
その声はきっと、隣に座るあたしにだけしか聞こえなくて。
隼人の目が、憧れと嫉妬を含んだ色に染まっていることに気づく。
「やっぱ、すげえや…」
それが素直な感想で、本心ではあるけれど。
どこかやるせなさを感じてしまうのは、あたしが後ろめたいからなのか。
「…ムカつくけど、かっこいいんだよな」
そう言って、あたしの方へ視線を向ける隼人に。
「うん、かっこいい…」
あたしも素直に答える。
バスケの試合を見て、こんなにも胸が熱くなってドキドキしたのは初めてかもしれない。
試合は、速水くんの先制点により流れはうちの高校に向いたように思えた。
さすがに中学からずっと組んできた秋山くんと息ピッタリで。
エースと言われる二人のプレイは、3年生の先輩のプレイにも負けてないと思う。
だけど、相手チームもさすがは長年のライバル校だけあって。
かなり高レベルな試合に、誰もが固唾を飲んでいた。

