選手達が姿を現して。
体育館の熱気はさらに増す。
すでにアップ済みの、程よく温まった身体とその表情に。
いよいよだ、と心が弾んだ。
体育館中が歓声に包まれる。
そのせいで、ビリビリと体育館が震えてるような気がした。
みんな、いい顔してる。
高揚感、緊張感、それにいつもと違った引き締まった顔と闘志に燃えた瞳。
「キャーッ! 翔くん頑張ってー!」
どこからか響いてきた声。
派手めな彼女たちの、騒がしいほどの声援が体育館に響く。
……あたしだって。
と思う、自分にふと気がついて。
ギュッと拳を握りしめた。
頑張って、…翔くん。
わけのわからない対抗心を燃やして。
だけど、ここで叫ぶほどの勇気も度胸もないあたしは。
心の中で彼にエールを送ることしか出来ない。
スタメンの中に、当たり前のように速水くんと秋山くんがいて。
いつもの穏やかな“王子スマイル”はどこにもない真剣な顔。
程よい緊張感はこっちにまで伝わってきて、心拍数が上がっていく。
だけど、もうすぐ試合が始まるときのこの感じ…嫌いじゃない。

