さっきの切なさなんて微塵も残ってないニッと笑う隼人。
「んじゃあ、翔たちの雄姿を拝みに行きますか!」
大きな手があたしと可奈の背中を押すから。
あたしたちはコントのように前に飛ばされて転びそうになる。
「隼人!」
可奈の怒りの声に、隼人はケラケラと笑ってるだけ。
それはいつもと同じ光景で、どこかホッとする二人のやり取り。
「かっこつけ翔が、ヘマしなきゃいいけどな~」
「それ、隼人でしょ?」
「は? 俺のどこが…!」
「去年の球技大会。張り切りすぎて、前日ケガしたのは誰だったかしら?」
可奈の言葉に、うっ…と言葉に詰まって目を泳がす隼人。
「ケガって言っても、ただの突き指だし」
「その突き指がなければ勝てたのに…って、泣いてたくせに」
「はぁ!? 泣いてねえよ」
突然の大声と、動揺してるその姿に、これは図星か…? とクスクス笑ってしまえば。
大きな張り手があたしの頭を襲ってくる。
「ってか、おまえ誰の応援行くんだよ。翔か? 秋山か?」
「隼人までそれ? あたしは純粋にバスケ部の応援に行くんです」
バスケ部、あの二人以外に誰がいるか知らないけど。

