お兄ちゃんこと、神崎瑛哉。
見た目は隼人よりも厳つい感じで、背も身体も隼人より大きい。
大木とか大岩とか、そんなふうに言われるお兄ちゃんは。
隼人とあたしにバスケを教えた張本人なのだ。
極度のシスコンで、過保護すぎるところがちょっとウザイ時もあるけど。
基本、大好きなお兄ちゃんだ。
バスケに関しては“鬼”だけど。
「……バスケと、ゆずに関してはだろ」
なんて、隼人の独り言は聞かなかったことにしよう。
「まだ気にしてる?」
学校に向かい歩きだしたあたしたち。
あたしの右には可奈、左には隼人。
隼人があたしに話しかける。
土曜日だからか、あたしたち以外には学校へと向って歩く人は殆んどいない静かな朝。
同じ制服を着てる人が前方に数人見えて。
あたしたちを同じくバスケの試合を観に行くのだろうか。
「俺がバスケ部に入らないのは、ゆずのせいじゃないぞ」
あたしがずっと気にいてること。
隼人の気づいてる。
「ただ俺が、自由に遊びたいだけ。好きなときに好きな奴とボールに触れるだけでいいんだ」
そう言ってまた髪をクシャクシャにされて。
せっかくに直したのに…と今度は口に出して隼人を睨んだ。

