「そこで何してんの?」
玄関でそんなやり取りをしているところにお兄ちゃん登場。
可奈はお兄ちゃんを見るなり、笑顔であいさつをしていたけれど。
隼人は、お兄ちゃんの声がした瞬間に身体が硬直したように動かなくなっていた。
「何やってんの?」
さっきと同じ質問なのに。
周りの温度が一気に低くなるような冷気に包まれている。
腕を組んで、ただそこにたっているだけなのに。
その威圧感はハンパない。
ゾクゾクとしたのは、あたしだけじゃなくて。
目の前の隼人なんて、ぶるぶる震え上がってた。
シスコンお兄ちゃんに、苦笑いするのはあたしと可奈で。
本気で怖がっているのは隼人。
「おまえ、ゆずを泣かすなよ?」
わかってるよな、なんて脅してる姿を見て溜息しか出てこないよ。
お兄ちゃんを無理やり家の中に押し込んで、慌てて出てきたあたしたちだけど。
隼人はあきらかに不貞腐れた顔をしていた。
「ゆずのせいだかんな」
「…そんなこと言われても」
「瑛くんに睨まれただけで、生きた心地しないから」
「あはは…うん、どんまい」

