「で、一緒に行ってほしいんだけど」
「うーん、別にいいけど……」
「お願い。一人で行くのはちょっと…」
顔の前に両手を合わせてお願いする。
さすがに一人で行く勇気はありません。
だって、昼休みのバスケだって。
あの人混みを考えたら、怖くて近づけないもん。
「秋山くんにも誘われてるんだよね……」
「いいけど、あたしバスケのことよくわからないよ?」
それでもいいなら…と言葉を続ける可奈に。
申し訳ないと思いながらも、お願いしますと頭を下げた。
仕方ないな…と言いながら外へと向けた視線が、校門から入ってくる隼人の姿を捉えて。
「隼人でも誘ったら?」
ほら、と指を指した。
「隼人、ね…」
気だるそうに歩くその姿は、いつもの光景で。
その近くには秋山くんもいて楽しそうに話してる。
本当なら、この時間に翔くんもいるはずだったんだけど。
『ゆずにまた会えるかなって思ったから』
…だから、急に思い出さないでよ。
熱くなった頬を両手で押さえて、可奈から逃げるように視線を教室の真ん中へと向けた。

