モテ子☆モテ男の恋愛事情。



―Side ゆず―


「練習試合?」

「うん、そう。来週の土曜日なんだけど…」


教室に入るなり、可奈のところへと一目散に向った。

今日もまた速水くんと一緒だったね、なんて冷やかされながら。

さっきの会話を思い出していた。


二日連続で会えるなんて思ってなかった。

いつもはもう少し遅い時間か、朝練があって朝早いかのどちらかだったから。

別に…意識的に見ていたわけじゃない。

たまたま、見えただけ。


そう思ってたんだけどな……


今朝、無意識のうちに拾ってしまった彼…速水くんの声。

それと一緒に聞こえてきた、女の子の楽しそうな話し声。

『翔』と呼ぶ、親しそうな二人を背後に感じて。

振り返りたい気持ちをグッと抑えて、真っ直ぐ前を向いて平然と歩いていた。


女の子とも、こんなふうに砕けた話し方するんだ。

なんて、ちょっと気にしてる自分をどうにかしたくて。

いつもより少し歩くスピードが速かったような気がする。


わざわざあたしを追いかけてきてくれたことが嬉しかったのに。

勝手にモヤモヤしてたことがなんだか恥ずかしくて、結局、彼の顔を見れなかった。