モテ子☆モテ男の恋愛事情。



「あ…、なんとなく?」

「なんとなく?」

「あっ…うん」


しどろもどろなゆずを見て、可愛くて仕方ない。

困った顔したゆずとまた目が合って。

そんな顔が見られただけで十分かななんて、話題を変えようとしたときだった。


「…見えたから」

「えっ?」

「教室から…翔くんが来るのが見えたから」


半ばやけくそにでもなってたのか。

少し不貞腐れ気味に突き出された唇と、少し恥ずかしさの混ざったその表情。

初めて呼んでくれた俺の名前。


これ以上、緩む顔を抑えられなくて。

目を逸らしたのは俺のほう。


きっと真っ赤な顔して、だらしない表情してて。

俺の顔からは、嬉しさがダダ漏れしてるに違いない。


「昨日はたまたま。今日は……」


まだ治まらない熱。

俺と同じように、真っ赤な顔したゆずと目を合わせて。


「今日は、ゆずにまた会えるかなって思ったから」