『ゆずが好きなのはいいさ。まあ、応援はしないけど』
「は?」
『俺が気づかないと思った? まあ、秋山も気づいてるみたいだけどな』
…って言うか、俺、そんなにわかりやすいのか。
櫻井の言葉に、軽くショックを受けて。
だけど、今までずっと気づかないフリをしててくれたことには感謝してる。
『なあ、翔…』
突然変わった櫻井の雰囲気に。
「な、なんだよ」
途端、変に強張る俺の身体。
『ゆずのこと、傷つけるなよ?』
「どういう意味?」
『ハンパな気持ちなら、これ以上近づくなって意味』
「櫻井…?」
『ゆずが傷つく姿は見たくないし、ゆずを傷つける奴は誰だって許さない、それが翔でもな』
だから、絶対に傷つけるな、と念を押されて。
櫻井のその声が、いつも以上に緊張感を持っていたからか。
俺までその緊張が伝わってきて、嫌な汗が流れた。
「それって…――」
『ま、ゆずが翔を選ぶかはわかんねぇけどな』
どういう意味なのかと聞こうと思ったのに、いつものふざけた口調に戻った櫻井に話を遮られた。
『ゆずにフラれたからって、泣くなよ?』
「は? 泣かねえし。ってか、フラれる前提なのやめろよ」
だから、俺はいつもと同じように返す。
ケラケラ笑ってる櫻井に『ま、頑張れば』なんて馬鹿にしたように言われたから。
そのまま何も言わずに通話終了してやった。

