モテ子☆モテ男の恋愛事情。



ただ、純粋に聞いてみたかったんだ。


あたしの言葉に一瞬だけ大きく目を見開いたけれど。

すぐに優しい瞳を向けてくれて。


そうだな…、と少しだけ視線を上げたあと。

何かを思い出したかのように、フッと笑みを零した。


「はじめは、すごく綺麗な子だなって思った」

「やっぱり…顔ですか?」


秋山くんの答えに、少しガッカリして。

だけど、やっぱりな…って思う自分もいる。


「はじめのキッカケは、そうだったかもしれない。でも、同じクラスになって少しずつだけど、神崎さんのこと知っていくうちに惹かれていったんだ」


ありきたりな答え。

無意識に何かを期待していたのか、その答えに正直残念だった。


そう思ったら、自然と下がってしまう視線。

その視線の先、グッと握られている秋山くんの拳が映った。

その拳から緊張感が伝わってくる。

平然としているようで、こんなにも手に力が入ってしまうほど緊張しているのだろうか。


少し視線を上げると、またフッと笑った秋山くんとまた目が合った。