モテ子☆モテ男の恋愛事情。



友だちと、好きな女。

どっちをとる? って聞かれたら迷わず“友だち”と答える。

…なんて、そんなカッコいいこと言えないな。


友だちも、好きな女も、どっちも欲しい。

欲張りで、わがままで。

カッコわるい。


…ツライ、な。


片思いで、遠くから見てるだけなんてツライだけだと思ってた。

目が合うことも、話すことも出来なくて苦しいと思ってた。


だから、実際彼女に近づけて嬉しいはずなのに。

純粋には喜べなくて。


秋山はゆずに告白した。

櫻井はゆずの彼氏かもしれない。


俺はまだ、知り合ったばかりで友だちにすら昇格していないかもしれない。


部室までもう少しというところ。

背後から近づいてきた軽快な足音。

ポンと、肩を叩かれたところでゆっくりと振り返ると。

そこには爽やかな笑顔の秋山がいた。


「どうした? ボーっとして」


今日は、真っ直ぐ部活に来たんだな。なんて心の中で嫌味っぽく呟く。


「…別に」


あきらかに不機嫌な態度の俺を見て、秋山は苦笑いを浮かべていた。


何やってんだ、俺は。

こんなのただの八つ当たりなのに。


秋山と並んで再び歩き出す。

俺たちに、会話はなかった。