「翔、どうした?」
「は?」
それ、俺のセリフだから。
放課後、イライラしながら帰りの支度をしていた俺のところに。
早々と支度を済ませた櫻井が近寄ってきた。
ペラペラなカバンを見れば、中身なんて入ってないだろうけど。
「おまえのほうがどうしたよ」
「俺?」
「昼休み、どこ行ってた?」
気になって仕方ないなら、直接聞けばいい。
俺の言葉に一瞬目を見開いた櫻井は、すぐに片方の口角を上げてニヤッとする。
「内緒」
「は?」
「なーんて。愛しのハニーに会ってきたって言ったら?」
嫌味な笑みは健在、俺を見てニヤニヤとしまりのない顔を隠そうともしない。
「愛しのハニーって、いまどき言わんだろ」
馬鹿か、と鼻で笑いながらも。
それが誰なのか、気になって仕方がない。
「イチャついてきたわけだ」
「ん、まあな~」
「ふーん」
何だそれ。
俺に関係がばれた途端、学校でもわざわざ会いにいったっていうのか。

