―Side 翔―
昼休み、櫻井が来なかった。
そんなことは、今までになかったから余計に気になったのかもしれない。
どこかいつもと違う櫻井のことが気になっていた。
朝、会った時はいつも通りだった。
だけど、その後教室で見た櫻井はどこか違和感があった。
それが何なのか、ハッキリとはしなくて。
いつもどおりと言えばそうなのだけれど。
時折見せる悲しそうな横顔と小さな溜息。
いつもの嫌味な笑みも、どこか無理してるように見えなくもなかった。
気のせいか、なんて思いながらも。
決定打は昼休みだった。
バスケ馬鹿のアイツが来なかったなんて、やっぱり何かあったのかもしれない。
昼休みが始まるとすぐにどこかへいってしまって。
戻ってきたのは午後の授業が始まるギリギリの時間だった。
だけど、そこからの櫻井はいつもと変わらなかった。
それ以上に、どこかスッキリした顔してた。
昼休みに何かがあったのは一目瞭然。
昼休みに何があったのか。
…ってか、どうして一日中、櫻井のことを気にしてなきゃならないんだ。
そのことに今度はイラついて、俺のほうが午後は不機嫌だった。

