「…隼人?」
いつもなら身長差がありすぎて届かない隼人の頭を、無意識のうちに撫でていた。
それは、いつも隼人があたしにしてくれるように。
優しく、優しく。
「無理、しないでね」
あたしの言葉に、優しく、だけどどこか切なそうに笑う隼人は。
急に立ち上がると。
「じゃあ、俺行くわ」
今度はあたしの頭をポンポンと叩いてから。
ニッと歯を見せて笑ってから。
ヒラヒラ~と緩く手を振りながら去っていった。
「…可奈」
「あたしも行くね」
それを追いかけるように可奈も手早く荷物をまとめて追いかけていく。
可奈が追いかけてくれるなら安心…かな。
心配じゃないとは言えないけど、ここは可奈に任せておこうと。
再び視線を校庭へと向けながら思った。
「ねぇ、あの二人って」
「幼なじみ」
「で、でも…!」
「可奈が、“幼なじみ”だって言うんだから、そうなの」
「うーん、こっちも複雑」
愛美は難しい顔したままおにぎりを頬張って。
うーん、と小さく唸っている。
眉間のシワ、元に戻らなくても知らないよ。なんて心の中で呟きながら。
あたしも隼人に半分くらい食べられたお弁当を口にしながら校庭を眺めていた。

