「…ってぇ、何すんだよ」
「それ、あたしのセリフなんですけど」
「まあ、いいじゃん別に」
「よくないよ」
隼人と可奈のやり取りを、ポカンと口を開けたまま見ていた愛美。
「じゃあ、ゆずの食っていい?」
「はいはい、どうぞ」
「やりぃ!」
仕方なくあたしのお弁当箱を手渡せば。
嬉しそうにから揚げを頬張る隼人に呆れてしまう。
「…あのお。まったくついていけないんですけど」
申し訳なさそうに片手を上げて、割り込んでくる愛美の呆然とした顔を見たら可笑しくて噴き出してしまった。
「あたしたち、幼稚園の頃からの幼なじみなの」
隣で言い合いをする隼人と可奈を横目に、愛美にもわかるように説明し始めた。
家が近所でいつも一緒に遊んでいたこと。
この付き合いも12年になること。
近所の公園で一緒にバスケをしていること。
「ちなみに…可奈と隼人は、いつもこんな感じなのよ」
二人の言い合いは、日常茶飯事なのだ。

