ギリギリの時間に駆け込んできた愛美は、あたしたちを見るなり鼻の穴を大きく広げてすごい顔していた。
普段の可愛らしい顔はどこへ…
鼻息荒く興奮状態の愛美を見て、あたしと可奈は顔を見合わせて苦笑いするしかなかった。
チャイムが鳴って、担任の先生が教室に入ってきたことで朝の尋問はなんとか免れたけれど。
席に着いて背中を向けていた愛美は、担任の先生の目を盗んで振り返るなり。
口パクで何かを伝えようとしていた。
「…ひ、る、や、す、み」
…昼休み、尋問決定。
はぁ…と吐き出されたあたしの溜息は。
先生の出席確認の声に紛れで消えていった。
昼休み。
チャイムと同時に、愛美に連行されるように屋上へと連れて行かれる。
暑くなっていくこの季節、意外と屋上は穴場なのだ。
このお昼の時間、ちょうどよく日陰になる場所があるのだ。
人も少なく、あたしたちは屋上で食べることも多い。
目の前には瞳をキラキラ輝かせてる愛美の姿。
「で、で、で!?」
ズンズンと迫り来る愛美の迫力に圧倒されて。
思わず仰け反ってしまう。
それをさらに愛美は身を乗り出してくるから。
今の状況、傍から見れば愛美に襲われてる図が出来上がっていた。

