校門を入ってしまえば、周りからの視線に余計に居心地の悪さを感じて。
少しずつ、少しずつ、あたしたちの距離は開いていく。
それと比例するように、あたしの視線もだんだんと足元へと下がっていった。
はぁ…と、かすかに聞こえた速水くんの息遣いに。
あたしの胸がギュッと締め付けられたような気がした。
速水くんと別れて教室へ向うと。
委員会の仕事で早く学校へ来ていた可奈があたしを見つけるなり近づいてきた。
「可奈、おはよ」
「おはよう、ゆず」
いつもとかわらない可奈の顔を見たら、なんだか気が抜けて。
さっきまで我慢していた溜息が零れた。
席に着いて、なんとなく気分の沈んでいるあたしを目の前に。
可奈はニコニコと笑顔を貼り付けてあたしを見つめていた。
「何?」
「ん?」
何か言いたそうな顔をしてる可奈を見て、思わず唇を突き出して不機嫌さを丸出しにすると。
「見たよ。王子と一緒だったでしょ?」
顔色一つ変えないで、サラリと言ってくる可奈に曖昧に微笑み返した。

