「鬱陶しくないの?」
いつもは変なちょんまげしてるのに。
「朝、時間なくてな」
そう言いながらあたしを解放すると。
ふうーっと自分の前髪に息を吹きかけて笑う。
それを見て、スカートのポケットに入っていたピンを出して。
隼人の前に立つと、そのまま背伸びをして前髪にそっと付けてあげた。
ブルーのお花がついてるけど、まあ…いいか。
されるがままの隼人はどこか嬉しそうで。
そんな顔が見られたら、なんだか満足してしまう。
「サンキュ」
そう言って、あたしの頭を優しくポンポンと撫でてくれる隼人の大きな手。
「どういたしまして」
隼人の手は温かくてどこかホッとする。
その大きな手で頭を撫でられると心が温かくなるから好きなのだ。
「…あのさ。二人の世界に入らないでくれる?」
すっかり忘れていた速水くんの存在。
今の隼人とのやり取りをみられていたかと思うと、急に恥ずかしくなってくる。
慌てて隼人から離れたところでもう遅いけど。

