モテ子☆モテ男の恋愛事情。



「ホント、仲良しだよね」


思っていたことをそのまま口に出してしまえば。


「全然!」
「まったく!」


二人の声が、見事に被さる。

二人の言葉のチョイスが違っててそれが余計に可笑しくて。

クスクスと肩を震わせて笑ってしまった。


ゆっくりと顔を上げれば、今日初めて速水くんと目が合った。

クスクス笑ったままのあたしを、優しく瞳を細めて見つめている。


恥ずかしいのに。

こんなふうに真っ直ぐに見つめられてしまえば、簡単には目を逸らせないじゃない。


そんなあたしたちを邪魔するかのように、今度はあたしが隼人に捕らえられてしまった。

あたしをスッポリと腕の中に納めて、ニシシ、と意味深に笑ってる。


「髪、グチャグチャにしないでよ」


これでも、朝ちゃんとブローしてきたんだから。


頭を動かせないから視線だけで隼人を見遣ると。

長めの前髪が隼人の左目を半分隠していた。


かろうじて動かせる右手でその前髪を掻き分けてあげると。

目尻を下げて笑う隼人の瞳が見える。