「ホント、仲良しだよね」
思っていたことをそのまま口に出してしまえば。
「全然!」
「まったく!」
二人の声が、見事に被さる。
二人の言葉のチョイスが違っててそれが余計に可笑しくて。
クスクスと肩を震わせて笑ってしまった。
ゆっくりと顔を上げれば、今日初めて速水くんと目が合った。
クスクス笑ったままのあたしを、優しく瞳を細めて見つめている。
恥ずかしいのに。
こんなふうに真っ直ぐに見つめられてしまえば、簡単には目を逸らせないじゃない。
そんなあたしたちを邪魔するかのように、今度はあたしが隼人に捕らえられてしまった。
あたしをスッポリと腕の中に納めて、ニシシ、と意味深に笑ってる。
「髪、グチャグチャにしないでよ」
これでも、朝ちゃんとブローしてきたんだから。
頭を動かせないから視線だけで隼人を見遣ると。
長めの前髪が隼人の左目を半分隠していた。
かろうじて動かせる右手でその前髪を掻き分けてあげると。
目尻を下げて笑う隼人の瞳が見える。

