俺の言葉に、慌てて自分の眉間に指を当ててる姿が可愛くて。
笑みを堪えられずにクスクスと肩を震わせてしまう。
それにつられるように彼女もフフッと顔をほころばせてから。
目が合った俺たちは、声を出して笑った。
「フフ、なんか嬉しい」
「嬉しい?」
彼女の突然の言葉に、意味がよくわからなくて小首を傾げた。
「やっぱり、アレは作り物なんだな…ってわかったから」
余計に意味のわからなくて、その言葉の意味を探ろうと彼女を真っ直ぐに見つめてると。
ニコリ、と。
それは綺麗な笑みを作った彼女に魅入ってしまう。
だけどそれは、さっきバスケをしてるときの笑顔とも。
今、目が合ったときに思わず笑ってしまったときの笑顔とも違う。
「これと、一緒でしょ?」
そういう彼女から笑みが消え、少し困ったような顔をした。
“これ”とはきっと笑顔のことで。
一緒と言うのはきっと、作られた仮面のような笑顔のことなんだと。
彼女の顔を見てわかった。
俺と同じように、神崎ゆずも笑顔と言う仮面を取得していたのかもしれない。
「俺たち、似てるのかもね」
校内でもらった称号のせいで。
愛想笑いが上達したなんて、そんなに嬉しいことでもないけど。

